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多言語の人口統計学辞書 日本語 ed. 1994

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章 | 基礎概念 目次 1 | 人口情報の収集と処理 目次 2 | 人口の分布と構造 目次 3 | 死亡と疾病 目次 4 | 結婚 目次 5 | 出生 目次 6 | 人口の増加と再生産 目次 7 | 人口移動 目次 8 | 人口の社会経済的側面 目次 9
セクション | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 20 | 21 | 22 | 23 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 40 | 41 | 42 | 43 | 50 | 51 | 52 | 60 | 61 | 62 | 63 | 70 | 71 | 72 | 73 | 80 | 81 | 90 | 91 | 92 | 93


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再生産期間1(あるいは女性の出産可能期間1)は思春期2に始まる。月経3、つまり女子の生理4もしくはメンス4の現れもまた思春期に始まる。最初の月経は初潮5と呼ばれる。月経は閉経6で終わるが、それは時に月経閉止期6とも呼ばれる。実際には、再生産期間は慣用的に15歳あるいは最低結婚年齢504-1)に始まり、45ないし50歳で終わるものとされることが多い。月経が一時的に止まることがあるが、それは、正常であれ異常であれ無月経7と呼ばれる。妊娠に伴う無月経8は受胎後に起こり、分娩後の無月経9は分娩後に起こる。

  • 1. 再生産年齢reproductive agesあるいは妊孕可能年齢fecund agesという用語が使われることもある。
  • 3. 月経menstruation(名);月経が通じるmenstruate(動);月経のmenstrual(形)。
  • 6. 閉経menopause(名);閉経のmenopausal(形)。英米の日常用語では、人生の変化change of lifeといった表現が閉経の意で用いられる(訳注)。
    (訳注)日本の場合には“女でなくなった”などの言い回しがこれに当たる。

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男性、女性あるいは夫婦(訳注)が子供を産む能力を妊孕力1と呼ぶ。この能力が欠如していることを不妊2ともいう。受胎能力の欠如3は不妊の主要な原因だが唯一のものではない。不妊という用語を単独で使えば普通不可逆的意味合いを伴うが、時には、一時的不妊5永久不妊7を区別することがある。一度も子供を産むことができなかった女性を原発性不妊8、1人以上の子供を生んだ後生めなくなった女性を続発性不妊9として区別する。

  • 1. 妊孕力fecundity(名);妊孕可能のfecund(形)。この用語は出生児を生む能力ではなく受胎能力の意味で使われることもある。低妊孕力sub-fecundityならびに妊孕力の低いsub-fecundは出生児を生む能力が正常以下のこと、あるいは受胎確率が低いことを表す。
  • 2. 不妊sterility, infecundity(名);不妊のsterile, infecund(形)。
    (訳注)以下のこの章の“夫婦”の原語はcouplesであり、これは夫婦よりも広い意味を持つが、カップルは日本語としては必ずしも定着していないのでここではすべて夫婦と訳した。couplesの正確な定義については第5章503-8を参照のこと。

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一時的不妊621-5)という用語は、女性の受胎不能が生理的条件の結果ではない場合でも使われる。一般に受胎は排卵3時前後の2~3日間にのみ起こるから、女性は各月経周期2の一時期に不妊の期間1を持つともいえる。受胎602-1)から分娩後の排卵再開までの不妊の期間は、特に数理的再生産モデルにおいては妊娠不能期間5と呼ばれるが、これは妊娠状態602-5)の時期を含むとともに、産後の母乳哺育4の継続期間によっても左右される。一時的不妊は、無排卵周期6(すなわち、排卵が起こらない月経周期)の発生あるいは無月経の異常な時期を指して使われることもある。非常に若い女性の低妊孕力7は普通、思春期不妊8と呼ばれるが、思春期低妊孕力8と呼ぶほうが望ましいであろう。

  • 5. 分娩と排卵の再開との間の期間は、分娩後不妊postpartum sterility期間と呼ばれる。
  • 6. anovular cyclesともいわれる。

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出生力1ならびに無出生2は、再生産の能力よりもその実績、すなわち観察期間において実際に出生があったかどうか表す。永久無出生4は、一定の年齢または結婚期間から再生産期間の終わりまでにまたがる無出生である。多くのラテン系の用語では、fertility(出生力)とfecundity(妊孕力)の類似語が英語とは全く正反対の意味で使われていることに注意すべきである。フランス語のféconditéとスペイン語のfecundidadは出生力(fertility), fertilitéfertilidadは妊孕力(fecondity)と訳すのが適切である。

  • 1. 出生力fertility(名);子供を生んだことがあるfertile(形)。
  • 2. 無出生infertility(名);子供を生んだことがないinfertile(形)。
    無子childlessness(名);無子のchildless(形):女性、男性、または夫婦が無出生の状態を指す。

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夫婦の出生力623-1)はその再生産行動1いかんである。夫婦は、計画者2、すなわち出生児数ならびに出生間隔612-1*)を調節しようと努力する夫婦と、非計画者3、すなわちそのような努力をしない夫婦とに分けられる。家族計画4は、希望子供数5を超えないように努力を表す家族規模制限4よりも広い意味を持つ。出生抑制(または産児制限、産児調節)6あるいは出生調節6は結婚している者の活動に限られない。

  • 4. 家族計画の有無family planning satusによって夫婦を分類すれば、子供の数と出産間隔を調節しようとする夫婦と、調節しようとしない夫婦に分けられる。
  • 5. 希望しない出生unwanted birthsまたは予定外出生unintended birthsは、夫婦が希望する子供数に到達した後に起こった出生である。これは、意図しない時期、および恐らく婚外関係で起こった計画外出生unplanned birthsとは区別される。

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家族計画は、計画出産1あるいは責任のある出産1ともいわれ、各夫婦あるいは社会の最適の利害に従って出生数ならびに出生間隔を決めるという考え方を意味する。夫婦が予期する子供数は、調査において夫婦が表明する希望子供数2あるいは予定子供数2とは異なるかもしれない。夫婦が自分達の目標とする子供数を修正しないとしても、避妊の失敗3の結果としてそれを超えてしまう可能性があるからである。その避妊の失敗の頻度は避妊の有効性4にかかっているが、これには二つの測定方法がある。一つは理論的有効性5あるいは生理学的有効性5であり、指示に従ってある方法を常時使用した場合の(その方法の)信頼性を表す。もう一つは実際使用有効性6であり、任意の人口がその方法を普段の実際的状況で使用した場合の信頼性によって測定される。残余受胎能力638-7)の考え方に立てば、実際使用有効性は、避妊失敗率7、すなわち受胎リスクの生ずる期間における予定外受胎数によって測定される。

  • 2. 出生予想birth expectationsは再生産予定reproductive intentionsとは異なる、という言い方もできる。また希望子供数desired family size、すなわち個人または夫婦が(自分たちにとって)持ちたいと望む子供数と、彼(女)等が社会にとって望ましいと考える子供数である理想子供数ideal family sizeとは区別される。予定子供数intended family sizeは希望子供数よりも小さいかも知れない。
  • 3. 計画外出生unplanned birthsは計画出生planned birthsの対概念として用いられることが多い。 4,5,6.効率efficacyは、ここで用いられている有効性effectivenessと同義語である。
  • 4. 家族計画プログラム、もしくはある人口におけるある避妊方法の人口学的有効性demographic effectiveness(626-7参照)と混同してはならい。

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家族計画プログラム1の目的は潜在的利用者2グループあるいはプログラム対象人口2に出生抑制(または産児制限、産児調節)を導入し普及することである。調査員3普及員3配布員3を含むフィールドワーカー3のチームは人々に接触し、避妊あるいは中絶を利用するよう説得する努力を行う。プログラムの成功はプログラム対象人口における新規受容者割合4あるいは受容率4により測定される。避妊受容者については、一定時間経過後の避妊継続率5避妊終了率6あるいは避妊放棄率6が算出されることもある。回避された出生7の数ならびに割合の推定値は家族計画プログラムの人口学的有効性652-4*)の尺度である。ある人口における避妊の普及率は、対象母集団、たとえば再生産年齢の有配偶女子人口の避妊現在実行率8によって測られる。

  • 8. 避妊についての知識・態度・実行に関する調査surveys of knowledge, attitude and practice は簡略化してKAP調査 KAP surveysと呼ばれてきた。

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避妊1性交渉(性行為)2が受胎につながらないようにする手段で、その中には避妊のための不妊手術631-1)を含む。出生抑制方法(産児調節法)3避妊方法3よりも広い意味で用いられ、人工妊娠中絶604-2)をも含む。(性交)禁欲4、とりわけ定期禁欲628-4)は避妊あるいは出生抑制方法に含まれることが多い。

  • 1. 避妊contraception(名);避妊実行者contraceptor(名):避妊を実行する人。
    避妊のためのcontraceptive(形):避妊のために用いられる。
  • 4. 禁欲abstinence(名);禁欲するabstain(動)。

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避妊の方法は器具・薬物を用いる方法1と、器具・薬物を用いない方法2とに区別されることが多い。器具・薬物を用いない避妊方法の主なものの一つは性交中絶法(または膣外射精法)3である。もう一つの方法は定期禁欲4あるいはリズム法4であるが、これは女性が妊娠すると思われる期間の性交を避け、月経周期の中のいわゆる安全期5にのみ性交を行う方法である。基礎体温法6は、自らの安全期を確かめるために女性が毎日体温を測る方法である。

  • 1. 器具・薬物を用いる方法には精子と卵子の結合を妨げるために用いられるバリアー法barrier methodばかりでなく、たとえば子宮内避妊器具(629-10)のような他の避妊器具contraceptive devicesを用いる方法、経口避妊薬(ピル)(630-4)のような避妊方法contraceptivesも含まれる。
  • 4. 自然家族計画法natural family planning methodsという用語は、リズム法、基礎体温法、ならびに女性の排卵周期の各段階を確認しようと試みるも他のすべての方法を総称して用いられる。

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バリアー法は、(普通には)単独で、あるいは併用の形で用いられ、そこには男性が用いるコンドーム1、ならびに女性が用いる子宮頸管キャップ2またはペッサリー2ダイアフラム3タンポン4またはスポンジ4避妊用ゼリー5座薬6泡沫錠剤7、および注水法8殺精子剤9を含むものと含まないものがある)が含まれる。子宮内避妊器具10(IUDと略される)にはループ10コイル10銅付加IUDT型10等、様々なタイプがある。

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経口避妊薬1ホルモン避妊2またはステロイドによる避妊3の方法であり、経口避妊薬(ピル)4の規則的服用、あるいは注射または埋め込みによって排卵を抑える。

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不妊手術1は種々の外科的措置によるものであり、男性については精管の結紮ならびに切除を行う精管切除術(パイプカット)2、女性については輸卵管の機能を止める卵管結紮4卵管切除5がある。子宮摘出術6も女性の不妊化を伴う。

4,5.輸卵管に接近するために開腹法laparotomy、経膣法colpotomy、または腹腔鏡検査法laparoscopy法など様々な方法が用いられる。

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