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多言語の人口統計学辞書 日本語 ed. 1994
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再生産1もしくは人口置換1の研究は、人口が自らの数を置き換えていく自然的過程に関するものである。総再生産3および総置換3と、純再生産4および純置換4との違いは、前者が再生産期間(620-1)が終わるまでの死亡を考慮していないのに対して、後者はそれを考慮している点にある。
- 1. 再生産力reproductivityともいう。再生産の別の意味に関しては、601-2を参照されたい。
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こうした再生産の研究においては、置換率1あるいは再生産率1など、数多くの指標が用いられる。再生産率とは通常、女子再生産率2あるいは母性再生産率のことである。女子の純再生産率3は、ある仮説女子出生コウホート(116-2)が現行の年齢別出生率(633-9)と死亡率(401-2)に従った場合の平均生存女児数と定義される。女子の総再生産率4は、再生産年齢が終わるまでの死亡がゼロであるという仮定の下で、同じように計算される。男子再生産率5、あるいは父性再生産率5は、男児出生数と男子の出生コウホートを用いて同じように計算される。また両性を考慮に入れた場合のある種の両性再生産率6が提唱されている。再生産率を計算する際に、実際のコウホートの経験を用いると、コウホート再生産率7あるいは世代再生産率7が求められる。これらの率を計算する際に用いられる年齢別死亡率と出生率は、異なった時点に関して得られたものである。年齢別出生率に関する統計が利用できない場合は、いわゆる置換指数8が用いられる。この指数は、所与の年齢(一般には0~4歳)の乳幼児人口を実際人口における出産可能年齢の女子人口で割った商を、これに相当する定常(静止)人口(703-6)から得られた商で割ったものである。
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その他の置換指数も、また計算されている。たとえば、純再生産率は、時に嫡出部分1と非嫡出部分2とに分けられる。さらに、婚姻内再生産率3も計算されているが、これは現行の死亡率、出生率、婚姻率、結婚解消率が不変であるとした場合、新たに生まれた女児が生むことになる嫡出女児の数を示している。これらの率は女子に関するものであるが、同じような率を男子について計算することも可能である。
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純再生産率(711-3)と安定人口増加率(真性自然増加率)(703-1)とは、互いに密接に関係している。純再生産率は、平均世代間隔1に相当する期間にわたって一定と仮定された年齢別出生率がもたらす、安定人口(703-2)の増加を測定するものである。女子の一世代の長さは、現行の年齢別出生率と死亡率の下で女児を生んだ母親の平均年齢2に等しい。期間再生産率は、仮説コウホート3もしくは合成コウホート3についての現時点に関する(再生産の)指標(152参照)である。
- 2. 平均出生年齢mean age of fertility、すなわち年齢別出生率のスケジュールから計算される平均年齢は、平均世代間隔の近似値にすぎない。男子の平均世代間隔は同じように、子供が生まれた時の父親の平均年齢mean age of fathersに等しい。
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