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多言語の人口統計学辞書 日本語 ed. 1994
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死亡1の研究は死亡が人口に与える影響を扱う。死亡率2という一般的用語は、死亡3の頻度を計るすべての率(133-4)を意味する。特定の形容詞なしで死亡率という用語が用いられた場合は通常、粗死亡率(普通死亡率)4(訳注)を意味する(粗率の一般的議論については136-8参照)。これは通常年率であり、すなわち一年間に生じた死亡数の、同一期間中に死亡リスクにさらされていた人口に対する比率で表される。この人口は対象期間の平均人口5に等しく、もし人口規模の変化がかなり緩やかであれば、平均人口は通常大きな誤差を伴わずに年央人口で代用することができる。部分人口(101-6)の死亡に限って計算されたものを特殊死亡率(134-6)といい、その中では性・年齢別死亡率6が最もよく用いられる。性を区別しない場合には年齢別死亡率7となる。
- 2. 死亡mortalityは場合によっては死亡率と同義語として用いられる。
- 3. 死亡death(名);死亡するdie(動);死亡したdead(形)、同じく死亡したdeceased(形、名)。
- 5. 観察期間が1年を超える場合には、平均人口は一般に各年の人口の推計値の平均として得られる。平均人年(135-7)も分母として用いられる。
(訳注)わが国においては、これまで普通死亡率という用語がかなりよく用いられた。
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集団間の死亡率の格差1を研究する場合には特殊死亡率を用い、ある集団の他の集団あるいは残りの人口に対する超過死亡率2という概念を用いることがある。様々な職業における死亡率の違いの研究は、職業別死亡率4の研究と呼ばれている。幾分異なった使い方として、職業死亡5という用語が特定の職業に伴う危険による死亡を意味する場合がある。その危険の中には職業病6と呼ばれるものも含まれている。
- 1. 死亡率における格差differentials in mortalityという表現も用いられる。
- 2. 男子の超過死亡率excess male mortalityという表現は同じ年齢における女子の死亡率との比較を意味している。
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粗死亡率(401-4)は死亡率の水準のみならず、人口の構成〔特に年齢構造(325-6)〕にも依存する。異なる人口の死亡率を比較する場合に、人口構造(144-4)による影響を除去するため標準化死亡率1または調整死亡率1が計算されることがある。一定の構成を持った標準人口2を用いて行われる死亡率の標準化の中では、年齢標準化が最も一般的である。対象とする人口の特殊率(134-6)(この場合年齢別死亡率)が得られる場合には、その死亡率を標準人口の該当年齢の集団に乗ずる直接標準化法3を用いることができる。年齢別死亡率が得られない場合には、間接標準化法4によって標準化死亡率を得ることができる。比較的よく用いられるのは比較死亡指標5である。この方法では、まず対象となる人口を構成する部分集団に標準死亡率6を乗じ、その総和をとって、死亡数の期待値を得る。比較死亡指標は観測された死亡数7と、標準死亡率を適用して得られる期待死亡数8との比によって求められる。
- 1. 標準化するstandardize(動);標準化されたstandardized(形);標準化standardization(名):これは標準化の過程である。
- 5. 粗死亡率(401-4)に比較死亡指標を乗じたものが間接標準化死亡率indirectly standardized death rateである。イギリスの公式用語において、職業死亡の分野では直接標準化による数値は、比較死亡率comparative mortality figure、そして間接標準化による数値は、標準化死亡比standardized mortality ratioと呼ばれている。
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